どうも、ひろっちです。
今回は、ひょっとしたら皆さんが漠然と感じているのではないかと思うのですが、不安とその対処法についてお伝えしたいと思います。
たかが不安、されど不安。不安が募ると脳のエネルギーも無駄に使われて、考えがまとまらないといったことや、心までも疲弊してしまいます。重症例ではパニック発作や強迫神経症といった疾患になり、専門医の診察が必要になることも・・・
「何かモヤモヤする」といった不安から、「〇〇な事になったらどうしよう」などという具体的な不安までさまざまですが、不安の正体を知ることで自分の心にも余裕ができ、正しい対処ができる様になります。
そもそも『不安』とは一体何なのでしょうか?
心理学的には「自己存在を脅かす可能性のある破局や危険を漠然と予想することに伴う不快な気分のこと」とされています。
そして不安とは、ほぼ全ての人がたびたび感じる事がある普通の感覚です。また、不安を感じるという事自体は何の異常もありません。むしろ自身の安全が脅かされていると感じているので、自身の身を守る為にもとても大切な感覚になります。
実は不安は感じる強さによって、有益にも有害にもなります。
個人によって許容量が違うのですが、程よい不安は集中力や注意力を高める事になります。これは受験勉強やプレゼンの発表などの時に感じる事が多いのでは無いでしょうか?
受験に向かう時などは勉強しなければ不安になりますよね。不安だから勉強をする、この様な時は集中力が高くなっています。またプレゼンや発表などの時は資料などに漏れがないか注意して見直したりするかと思いますが、この時も注意力や集中力が高まっています。
こういった例では不安は有益な感情と言えます。
一方、不安が強くなり過ぎると判断力が低下します。感情に囚われすぎて視野も狭くなり、広い視点から物事を見ることができなくなります。
さらに不安の強度が増すと集中力も低下し、適切な判断もできなくなり、パニック発作などに繋がります。
こういった状況で不安を減らそうと努力すれば、正しい判断もできず、さらなる不安に繋がり、さらに大きな不安を感じることになります。努力しようとすればするほど、状況は悪化してしまう。悲しいことです。
ではどうすれば良いのか?その対策に移る前に「不安」に似た言葉である「恐怖」について考えてみます。
「不安」と「恐怖」は違うのでしょうか?実はこの二つの感情自体は同じです。違いは対象が明確であるかどうかになります。
明確な対象があるものを「恐怖」
対象が明確でないものを「不安」
といいます。この違いは大きく、恐怖に関してはその対象を避けることで回避することができます。しかし不安に関しては対象が分からないため、回避できないのです。
つまり不安の対策と恐怖の対策とでは異なるということです。原因を考えて明確な対象がある場合は、その対象を避けるようにしてみましょう。その恐怖を避けられない場合、また追い詰められている場合は一人で考え込まず、すぐに誰かに相談してください。両親、友達、専門医や専門機関・・・。その恐怖という感情はあなたが、ある対象に危険を感じているという危険信号アラームなのです。
一方、不安に対する対策では対象が明確でないため、避けることができません。そういう意味では今感じている不安に対する心理的不安は大きいかもしれません。ややこしいのですが、「不安になるかもしれない」という不安が生まれるということです。これを「予期不安」と言います。
こういった「不安」に対する対策としては
①行動する事と②アウトプットする事です。
①行動する
不安を感じている時には脳内ではノルアドレナリンというホルモンが分泌されています。このホルモンは「闘争か、逃走か」の物質と言われます。例えば、自分が猛獣に出会した時のことを考えてください。ヤバイ!!と感じた時、すべきことは闘争か逃走、どちらかの行動を起こすしかありません。「何もしない」とぼーっとしていると命を奪われる事でしょう。
また同時にアドレナリンというホルモンも分泌され、血圧や心拍数も上昇し、全身に血液が行き渡ります。集中力や注意力も高まり、体を動かすモード(戦闘モードや逃走モード)になります。
このことから、不安を感じているときは「早く動け」「その状態から脱出しろ」というのが不安を感じる事の生物学的な意味合いになります。しかし、目の前に猛獣が出たという状況ならまだしも、何から逃走(闘争)すれば良いか分からない場合、何も行動することができないのではないでしょうか?
思い返してみてください。「どうしよう」と布団の中で考えているときは、さらに不安が大きくなったりしませんでしたか?どのような行動をすれば良いか分からないから行動しないと更なる不安に襲われる物なのです。何かしらの行動を取ることで、不安は少なからず軽減されることでしょう。
どのような行動をとれば良いかどうしても分からない方は、まずは散歩をしてみましょう。他にも筋力トレーニングや全力疾走などもおすすめです。自分で感じているより大きな効果を得ることができます。
②アウトプットする
もう一つの対策としてはアウトプットするということです。方法としては「話す」「書く」などです。例えば誰かに相談するとしましょう。その時あなたは相手にわかるように自分の気持ちや状況を説明することになります。相手にわかるように話すということは自分にもわかるようになるまで気持ちや状況が整理できるということです。漠然とした不安のおおよその形が見えてくるでしょう。
また友達とのおしゃべりをするということ自体もストレス発散になります。そして相手から何か質問されることで、解決に向かうというパターンもあります。
「書く」ということは自分自身との対話にもなりますので、強力な対策であると言えます。頭の中が整理されることで、対象が分からない不安の対象が明確化され、更に細かな対策や行動が取れるようになります。
枡野俊明先生の著書に「心配事の9割は起こらない」があります。(よかったら一度読んでみてください。)
不安自体は大切な感情ではあるのですが、その9割は大丈夫です。
そして不安は普通の感覚であり、「動け!」という合図でもあります。
人生の中で上手く付き合っていく必要がありますね。
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